温めるのか、冷やすのか?-5
「急性外傷」と判断される状況なのに、何故自発痛がともなってこないのか?
そのカギは筋肉の異常にあります。
生理学的には「筋攣縮(きんれんしゅく)」という現象に該当されます。
これは、筋繊維が持続的に収縮し続け、自分の意思とは無関係に緩むことができない状態です。
ふくらはぎの「こむら返り」とか「足がツル」とかいう症状を考えていただけると分かりやすいと思います。
この症状の背景には「炎症」はありません。 よって、自発痛は無い訳です。
それと同じような現象で「筋痙縮(きんけいしゅく)」という症状があります。
これは筋肉が硬直して自分では動かせなくなっている状態です。
脳梗塞などの後遺症で腕や足が硬直し、自由に動かせない方を見かけると思います。 あの状態です。
この筋痙縮にも炎症はありません。 ので、自発痛は無いということです。
しかしながら、こむら返りの足を無理に動かすとしたらどうでしょう? 飛び上がるほど痛いでしょうね。
病気の後遺症などで硬直した関節を、無理に動かそうとしたらどうでしょう? 泣きたくなるほど痛いでしょうね。
そんな筋肉の異常状態にあるのが、自発痛がない急性外傷の本態であると私は考え、施術にあたってきました。
そうして、「温める」療法や自己管理の指導が経過を良好にしてきたのは事実です。
では、何故筋肉がそのような状態に陥ってしまうのでしょうか?
この回答は次回にお伝えします。
長崎地方は気温は高まるようですが、雨となるようです。
体調にお気をつけてください。
ではでは。