骨挫傷について 6
1990年代に入った頃から整形外科の診療においても、捻挫の治療にエアキャストなどの固定具を装着するようになりました。

固定具の使用が普及した背景には、いくつかの要因があります。
まず、患者さんの視点から考えると、従来のシップや鎮痛剤のみの処置に対して不満があったことは確かです。これらの方法は、痛みの軽減や一時的な効果を提供するものの、実際の回復には時間がかかり、再発のリスクも高いものでした。
そのため、より効果的な治療法が求められるようになり、固定具がその解決策として登場しました。固定具は、捻挫部位を安定させて早期回復を促進するだけでなく、再発のリスクを低減させることができます。
また、医学の進歩とともに、固定具のデザインや素材も進化し、より快適で効果的なものが開発されました。これにより、患者さんのQOL(生活の質)が向上し、医療現場でも広く受け入れられるようになったのです。
この代表的な固定装具が昨日ご紹介したエアキャストです。
プロバスケットボールプレイヤーの渡邊雄太選手がステージ3の足首の捻挫を発症し、試合後診察からの帰りにエアキャストを装着していた映像が「情熱大陸」で紹介されていましたから、ご覧になった方もいらっしゃるでしょうね。

私からしますと「時代もやっとここまで来たか」の感ありです。
しかし、エアキャストは高価です。2万円程度はしますから、保険を適用してくださる医師のもとでも5~6千円の別途出費がかかります。
当院での固定装具着用であれば、その10分の1程度、5~6百円の出費で、それぞれの方にジャストフィットした固定具を作成して装着します。
親切でしょう!?
自画自賛でした。
では、また次回。